る一つの図表として、図1.6 5)をかかげた。本図におけるlCBの表し方は、船の長さとして、満載喫水線上の長さLWLをとり、lCBをはかる基準の船体中央部として、LWL/2をとり、またlCBが船体中央部より前方にあるときをマイナス、後方にあるときをプラスとしている。
lCBの値が、最適値から僅か離れても抵抗増加は少なく、大きく離れると抵抗の増加は著しい。この抵抗の増加の割合は船型によって異なる。
(エ) 船体中央平行部
船体中央平行部の長さを変えることは、船首波の船尾位置における位相を変化させることになるので、船尾波との干渉の度合が変わり造波抵抗に及ぼす影響は大きい。また、船体中央平行部を挿入することは、方形係数を大きくすることにもなり、かつ、横載面積曲線の形状も変えることにもなるので造波抵抗に及ぼす影響は単純ではない。一般には、速度の速いやせた船では、中央平行部のない方がよく、速度の遅い肥りた船では中央平行部があった方がよい。
前項(ウ)にかかげた図中に計画速力に対応するフルード数に対する最適中央平行部の長さが示されている。
(オ) フレーム・ライン形状
抵抗の面だけからいえば、船首部がU型、船尾部がV型のフレーム・ライン形状が最良であるが、船尾端のプロペラ付近までをV型にするとプロペラ位置の伴流分布が不均一となり、推進性能上よくないので、プロペラに近いフレーム・ライン形状は再びU型とする必要がある。
(カ) 球状船首
船首の球状の大きさ、位置、形状等を適当に選ぶことによって、主船体の形状・要目を変更することなく、計画速力における抵抗を減少させることが可能である。
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